UEPiです!
今回は仕事で使用している3Dプリンタ事情について、使用している私の目線からのメリットとデメリットを記載していこうと思います。
3Dプリンタ
3Dプリンタといえば、主に積層造形法を用いて、主材とモデル材を用いてそれらを紫外線硬化で硬化させるものが一般的だと思います。私の部署で使用しているのは紫外線硬化タイプになります。
また、3Dプリンタのモデルそのものは基本的に3DCADで作成し、うちの開発では.stlファイルに変換して使用します。
3Dプリンタの詳しい説明は下記リンク↓
http://www.ricoh.co.jp/3dp/lineup/byMethod/
どんな場面で使うのか
私の所属するグループの仕事は、成形品の構造設計(製品設計)、またそれらを組み立てるための組立方法(生産技術開発)の検討、組み立てるための(半)自動機の設計(生産設備開発)を行うため多岐に渡ります。(他にもあります)
その中で、主に3Dプリンタを使用するのが、成形品の構造設計になり、次に必要となるのが組立方法の検討の際に必要になります。
製品設計における3Dプリンタの活躍
製品設計において3Dプリンタはとても有用です。最終的な製品は射出成形にて製作しますが、検討段階の形状から改定していく度に金型を製作して成形していては、莫大な時間が必要です。金型製作だけで最短でも1か月は必要でしょう。
一方で、3Dプリンタの場合、3DCADでモデルを作成し、夜の内に3Dプリンタにて造形開始しておけば、だいたい次の朝にはできています。全く開発のスピード感が異なります。
私の所属するグループでは、私が入社したくらいに3Dプリンタを導入し、最初の方はなかなかみんな使用していなかったのですが、今では他の部署からもこんなの3Dプリンタで作れないか?など相談がくるくらい、重宝される存在になっています。
生産技術開発における3Dプリンタの活躍
私の所属するグループは、先ほども述べたよう組立方法の生産技術開発を行うため、冶具の設計は当然よくあります。その際に、微妙な寸法違いの冶具を製作し、その中で最適な冶具を選定したい場合、すべてをSUSやアルミ、はたまたMCナイロンやPOMで全部製作していては、時間もお金もかかってしまいます。
なので、強度があまり求められないところについては、最初は3Dプリンタで製作した冶具を用いて当たりを付けたり、プロトタイプを3Dプリンタで製作し、形状が決まったら実際にSUSやアルミで製作する。といった形で使用することが良くあります。特に金属加工よりも製作時間格段に短いため、PDCAのサイクルを素早く回すことができます。
他にも、何かを測定するためにちょこっとした冶具を3Dプリンタで作ったりもします。これが案外便利!
3Dプリンタの注意点
基本的に3Dプリンタは製品設計の形状確認や、当たりをつけるために用いているため、製品開発であれば、射出成形可能な形状となるようモデルを設計することが前提です。無理なアンダーカット形状になっていないかなどをしっかりと初めから考えて設計する必要があります。(まぁ当たり前なんですけど)
もしくは、冶具の場合であれば、最終的には加工屋で加工してもらうので、加工しにくい形状になっていないか、無駄に高くなる形状になっていないか、など考える必要があります。3Dプリンタだとどんな形状でもできてしまうので、ついつい加工のことを忘れて製作してしまうことがあります。
確認不足
これは私だけかもしれないのですが、加工屋さんに金属加工してもらう場合だと、図面に記載している穴径や位置に寸法ミスがあると、場合によっては追加工できなくなったりします。すると新たに作ってもらおうとなると平気で予定が2週間とか遅れてしまう場合があります。そのため、図面の確認は慎重になります。
一方で、3Dプリンタの場合ちょっと寸法を間違えていてもヤスリで削ったりして案外なんとかなったり、1日あればモデルの寸法を変更して造形することができるので、タイムロスが小さいです。そのため、前者に比べるとモデルの寸法確認が疎かになりがちです。
問題は、これが当たり前になってしまって、実際に金属加工してもらうときにもミスを頻発してしまうことです。こうなってしまうと、開発のスケジュールが大幅に遅延してしまうので、注意が必要です。
と、私が実際職場で3Dプリンタを使用していて思ったメリットとデメリットです。
他にも書きたいことはあるのですが、今回はこれで終わりにしたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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